「亭主関白」=「モラハラ」ではないがその考えかたは限りなくモラハラに近い
その理由について説明します。
そんなわたしは夫からモラハラを受けていると気が付かないまま20数年暮らしてきた人。離婚を視野に、ついにアパートを借りて別居スタート!
亭主関白とモラハラって違うの?
✔亭主関白って?
【亭主関白】
亭主が家庭の支配者としていばっていること。
対義語:
かかあ天下
Oxford Languagesの定義
ひとことで言えば昔ながらに引き継がれてきた
「家父長制度に則った古い価値観に従ってふるまう夫のこと」
要するに「昭和か!」なんですね。
実際は昭和どころか明治ですね。
「女は男に追従するもの、従属的な立場であり、夫をたててナンボ」
「男は家長として家族を養い率先して指導に当たらねばならない」
100年も昔の日本の価値観です。
古い時代の「家長制度」がモラハラのベースになっていることは間違いない。
だけど、思うんですよね。
これは男性にとってもしんどかったんじゃないかなあ。
「男だから」でくくられるもの。
「男たるもの泣いてはならない」
「男は外で働き家族を養わなければならない」
「男たるもの仕事がしんどいなどというものではない」
「男性」だというだけで重い荷を負わされたと感じている人も多いのではないかしら。
終身雇用は神話となり、お給料は上がらない。それでも生活費、教育費はうなぎのぼりの天井知らず。
そんな中で、「男だから」とおしりをたたかれ、会社では上司に肩をたたかれやしないかとびくびくしながら働く男性たち。
その「生きづらさ」が今度は家の中で自分より弱いものに向かう。
「俺はこんなに大変な思いをしているのに、お前は家で子供と遊んで暮らせていいよな」
夫は昼間、家にはいないのだから妻と子供がどういう生活をしているのか見ているわけではないんです。
だけど、自分がたまたま見かけた
「女性が友人たちとランチをしていた」
「妻が新しい服を買っていた」
という、それだけを見て自分の辛さ、生きづらさを妻にぶつけている人がいるんじゃないかなあと思うのですよ。
もしかしたら、彼が見かけた女性は何か月も前から友達と久しぶりに会う約束をしていて、ランチ代をねん出するために少しづつやりくりして貯めていたのかもしれない。
子供をその日に預けるために親のスケジュールとすり合わせながら、やっとのことで日程を押さえたのかもしれないじゃないですか。
でもその場面をピンポイントで見た男性にとっては「俺がこんなに大変な思いをして働いている時間に女どもは」となるのかもしれない。
男の人たちだってしんどいって言っていい。
「こんな安い給料じゃやってけない」って思ったら妻に働いてほしいって言っていいと思います。
「うらやましい」
「しんどい」
こういうネガティブな感情が「家長制度」っていうフィルターを通ると「モラハラ」になる例が多くあるんじゃないかな、という気がします。
一方で、ただ「男性」というだけで強大な権力を持っていると勘違いしてしまう国、ヘルジャパン。
そんな男性たちが「俺は男というだけで女より優れている」という勘違いを持ったまま成長しているという場合も多いように思います。
「亭主関白」なんて意味も分からないような古い価値観、もうなくなってもいいんじゃないかな。
関白亭主は古い価値観にとらわれていて自分の役割にこだわっているので、妻にとってたいへん窮屈でうざい。
ですが、リーダシップのないところでは社会はなりたたないのも事実です。
みんながやりたいこと、好き勝手にふるまっていては物事がうまく進まない。
リーダーシップは必要だとわたしは思っています。
「リーダーシップ」と「モラハラパーソナリティ」とは別物です。
妻に対し、自分の方が上であると「思い知らせ」服従させようとするひとはモラハラパーソナリティのひとです。
あなたはわたしの「ボス」じゃない。
亭主関白は必ずしもモラではないと考える理由
ごくわずかながら、家庭の「ボス」ではなくリーダーであろうとする人もいます。
リーダーとして家族を守り、責任を引き受けようとします。
それは悪いことではないと思うのよね。
エラそうにするだけ(モラ)なら誰もついていきたいとは思わない。
でも、リーダーとして責任を持ち、家族のみんなにとって最善をはかろうとするとき、優柔不断ではダメな時もある。
みんなの希望をかなえられればいいけれど、時間的、経済的にすべては無理だというとき、「決断」を下す必要がある。
その時に妻にとっては不服に思える時もあるかもしれない。
だけどそういう不利益や不満も夫が率先して引き受けて家族を守る。
そういう人を頼もしいと思い、妻として支えたいと思う人もいるかもしれませんよね。
つまり、関白亭主とモラハラ夫の最大の違いは「そこに愛はあるんか?」ということではないかしら、と思う次第。
ただ、どんなに「家族のため」といいわけしても、「オレが起きる前に起きて化粧しとけ」だの「俺より先に寝てはいけない」などと妻に理不尽な要求をし続けるならそれはモラ認定でいいかと。
この意識が欠落してしまっているので関白亭主は簡単にモラ化します。
妻は自分の家来や部下ではない。
パートナーです。
幸せな家庭を築くためにどちらの存在も不可欠ですし、どちらも大事な役割がある。
それを無視したり忘れたりしたとき、関白亭主はモラ化するのではないかと思います。
コメント
やはり昭和というよりも戦前(昭和と言っても60年以上ありますので)の価値観を捨てきれない日本の病理がモラハラ夫やあらゆる世界でのモラハラにつながっていますね?!
ちなみに今世紀になって年功序列制度により昇給も終身雇用もなくなったのに戦前~高度成長期の価値観を押しつけるバカ(笑)がいる限りモラハラ夫は一定数存在!?
それからこのブログに限らず「モラハラ」と「モラ」が混在しておりますが、僕はモラとはモラリスト(人格円満で道徳的人物)と言う意味に解釈しますよ!
だから「モラ夫」と聞けば「良かったですね?」と答えてしまいます(笑)
こんばんわ!コメントありがとうございます。そうですね。日本の代々連綿と続く男尊女卑の考え方が、モラハラを生み出す土壌になっていることは間違いありません。女性の人格や尊厳が尊重されているとは、まだまだ言えない日本の今の状況を「ヘルジャパン」と表現した方もおられます。なるほど確かにと、膝を打ちました。本当に、いいかげん男性たちは、もう昔の価値観は受け入れられないのだということを認識しないといけないところに来ていると思うのですが。
「モラ」という言葉についてですが、「モラハラする人」のことを指して「モラ」という言い方をしますね。界隈ではすっかりなじんだ言葉ですが、「モラハラ」という言葉とその意味自体、わからないという方もおられます。広く知られるのはいいことですが、意味がちゃんと伝わらないまま使われると困るなとも思います。かつての「フェミニズム」のようなことにならなければいいがと考えています。
つたない記事を読みに来てくださり、ありがとうございました!