何がいやって旦那とお金の話をするのが一番いや。
慰謝料なんかくれるわけないし、そんな交渉してメンタルすりへらすぐらいなら、何もいらないからさっさと別れたい。
モラハラ夫と離婚を考えた時、一番憂鬱になるのがお金の話をしなければならないことですよね。
モラハラ夫はなぜかお金に執着する傾向があるらしい。
モラハラ夫を持つ妻たちの話を聞いていると家計の管理を全部夫がしているという人が多いようです。
やっぱりモラハラ夫たるもの、すべてをコントロールしなければ!?
モラハラ夫とお金のことを話し合わなくちゃならないくらいなら、もうなにももらわなくていい。
そういいたいところですけど・・・
ちょっと待って。
お金はあっても邪魔にはなりません。
わたしたちがもらえるはずのお金ってどんなものがあるんだろう。
弁護士さんに聞いても、親権の問題とお金の話が一番こじれるらしい。
- わたしたちが夫に請求できるお金ってなに?
- 少しでもお金をためておく有利な方法ってある?
お金の問題は夫と冷静に話しにくいと思うなら弁護士さんにアドバイスをもらうのもいいと思います。
法律的なことを相談できる行政書士さんや弁護士さんを探すときには、こちらの記事を参考にしてください。
モラハラ夫と離婚するときのお金にまつわる2つの制度
離婚することになったとき、話し合うことになるお金のこと。
・養育費
・離婚した後の年金分割制度
・離婚後の財産分与
養育費
これは親同士の関係にはかかわらず、子供たちの生活費です。
将来を守るためのお金です。
これを払わないという親はもう親を名乗る資格なしだと思います。
普通は親権を持った親が同時に監護権を得ることが多く、子供を実質的に世話している側がそうでない親から受け取ることになります。
親権は普段世話をしている親の側に認められるので圧倒的に母親が有利です。
養育費の算定は裁判所で算定基準が定められており、年収から算定されるようになっています。
ご自分がいくらぐらい養育費を受け取ることができるのか、逆に支払うことになるのかについては、算定表のリンクを貼っておきます。参考にしてください。
平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について | 裁判所
離婚後の年金分割制度とは
婚姻期間中に多く支払った側の年金保険料の支払いの実績を配偶者が分割して受け取ることができるというもの。
平成16年に制定された比較的新しい制度で、熟年離婚が増え、それまで専業主婦であった人たちが離婚後に夫の扶養から外れることによって年金の支払い実績が全くないまま生活に困窮することがないようにする目的で制定されました。
「熟年離婚」というのはおおむね結婚して20年以上になる人たちが離婚することを指すものです。
年金というのは25年以上の支払い実績がないと支払われないものですから、専業主婦だった人が熟年離婚したとしたら年齢はすでに50歳前後。
この制度がなかったら、それから25年間の年金支払い実績を作るのは難しいですよね。
間違えやすいので補足しますが、この制度はあくまでも「年金保険料の支払いの実績」を分割するというものです。
将来受け取れる年金の半分を受け取れるというものではないので注意が必要です。
つまり、結婚してからの年月が25年とします。
その間専業主婦(第3号被保険者というやつですね)として夫の扶養に入っていた場合、離婚しなければ夫とともに25年分の支払い実績があるとみなされます。
そうすると全額を受給することができますが、離婚すればその「半分の支払い実績」があるとみなしてもらえる、ということにすぎませんから、このままで全満額受給することができません。
しかも、この制度が適用されるのは「厚生年金」(会社勤めのサラリーマンが会社を通じて支払っている年金)あるいは「共済年金」(公務員が支払っていた年金)です。
「基礎年金」にあたる国民年金には適用されません。
20歳になってから払ってきた年金保険料は「国民年金」の保険料であり、この部分についてはカウントされません。
あくまでも結婚してその相手がサラリーマンだったり公務員だったり、「厚生年金保険料」(あるいは共済年金保険料)を支払っていた人で、その年金保険料を支払った期間の半分、ということです。
この制度は「厚生年金(共済年金も含む)」に対して適用される制度ですから、夫が自営業であったり、農業従事者であった場合などは適用の対象外となります。
また自分が年金を支払っていて、扶養する立場(収入が多い)であったならこの制度を使ってもあまり意味はありません。
当然ながら「婚姻期間中」の期間に対して適用されるため結婚前の期間はカウントされません。
年金分割制度はありがたいのですが、あくまでも「年金保険料支払の分割」ということ。
それを考えると、働けるならできるだけ早くフルタイムで仕事をして、自分で年金を支払い始めるほうがいいですよね。
請求できる期間は離婚後2年間です。
これを過ぎると請求できなくなってしまうため、忘れずに手続きをする必要があります。
請求を行うときに必要になる年金手帳を別居や離婚のときに持って出るのを忘れないようにしなければなりませんね。
詳しくは年金機構のリンク先を貼っておきますのでそちらをご覧ください。ただ、読んでもなんのこっちゃって感じですが。
夫の側も当然自分に入る年金の額が半分になるんですから、そりゃあケチが身上のモラ夫は抵抗するでしょうね・・・
離婚後の財産分与
離婚時点での夫婦共有の財産の半分まで受け取ることができる、と定められています。(参考:民法768条1項)
これが「財産分与」です。
これには退職金も含まれますが、退職までまだ何年もあるとかいう場合だと途中で転職して退職金がそれほど期待できないということもあるかも。
他には預貯金、証券、保険、車、家が持ち家であればそのローンの残額などについても分割されます。
これらはどちらの名義になっているかは関係ありません。
家については、今住んでいる家が持ち家であり、ローンの支払いが終わっているなら売ってしまって売却益を折半するというのが一番簡単ですね。
ローンの残額が大きかったりすると、その計算が非常にややこしい場合があり、これは専門家に任せたほうがいいと思います。
財産分与の請求期限も年金分割と同しで「別居後から二年」と定められていますので、これは別居する前にある程度めどをつけておかないと、離婚が成立してしまってから請求しようとか思っていると時間切れになってしまう可能性があります。
さて、ローンなどの見えないお金についてはちょっと置いておいて。現金をどう分けるか、です。
わたしは夫の給与明細って見たことないし、今現在うちにいくら資産があるのか全く知らないのですが、みなさんはいかがですか?
モラハラ夫ってなぜかお金にシビアな人が多くて、妻にコーヒー一杯飲ませることももったいないと思うものらしい。
であれば、できれば一円たりとも渡さない、と思うでしょう。
共有の財産を把握する
わたしが弁護士さんから指示されたことです。
別居してしまったり、離婚してしまったあとでは家に入って家探しすることが難しくなるので夫名義になっている預貯金、資産の調査をするようにということでした。
具体的には
・給与の振り込みが行われる銀行名、口座番号、最新の振り込みの記帳
・証券類があるなら証券会社名。証券口座までわからなくても申込書とかそれらしい案内のリーフレットとかがあればいい。
・給与明細など
・保険証書など、保険になにか入ってると想像できるような書類
これらを写メっておくこと、でした。
・所得証明書 これは市役所に行って家族のものですが必要なのでとか何とか理由を言えば取得できるそうですよ。
所得証明書は夫のマイナンバーの暗証番号がわかればコンビニでも取得できます。
わたしは夫の印鑑証明書をとる必要があったときにたまたま暗証番号を聞いていたのでこの方法で取りました。
ただ、所得証明書は直近3か月のものとか決まりごとがあるのであまり早くとっても意味がないものですが。
さて、夫の資産はこれでだいだい把握できました。
夫はそんなにないと言いますし、びた一文渡さないと言ってますからなんだかんだと隠そうとするでしょうけれど、弁護士さんを通して裁判所に「通帳開示請求」を出してもらうことができます。
銀行も「個人情報保護」の観点からほいほい開示してくれませんが、裁判所から開示請求が来たら逆らってまで情報をかくすところはあまりないとか。
それまで結婚後もずっと正社員としてキャリアを積んできた人ならばそれほど心配いないかも。
でも、専業主婦として家事に育児にがんばってきた妻たちにはよほどうまくやりくりをした人でない限りへそくりも大してありません。
離婚後の生活設計のためにも手元にできるだけたくさんのお金は確保したいところです。
弁護士さんは夫の口座からすこしづつお金を抜きとって自分の隠し口座にプールしておく方法を伝授されましたが、それはうちの場合不可能でした。
夫はマメに口座のお金の出入りをチェックしており、一万円でも多く引き出された時には厳しく追及されたからです。
わたしの管理下にある資産といえば毎月の生活費の中からコツコツ支払ってきた「学資保険」ぐらいです。
でもそれも保険という性質上、父親である夫の名義にしていたため引き出して現金化するために夫の委任状を必要とし、あえなくばれたのでした。
それ以外には貯金らしい貯金もなく、少しばかりの貯金があるだけですが、これもまた本来ならばお互いの預貯金を開示して財産分与の対象になります。
ですが、できればこれは隠しておいて夫から受け取れるお金の足しにしたいところ。
夫のことですから当然わたしの預貯金についても開示を求めてくるでしょう。
それは仕方ないのですが、できれば手元に残す方法はないでしょうか。
離婚後の財産分与の対象とならないもの
隠す方法、ありますよ・・・・
財産分与の対象となるのは「婚姻期間中に夫婦双方の協力のもとに得られたとみなされる資産」です。
逆に妻が独身の時から使っている口座で、そこに結婚前からプールされているお金は妻個人のものとみなされ、財産分与の対象にはなりません。
これを「特有財産」といいます。
ただ、これも開示請求があれば開示しなければならないため、ここに離婚が視野に入ってからプールしていたとしても、振り込みのあった日付が印字されますよね。
それを結婚前からの財産だったとは主張しにくいかもしれません。
また、親からの相続や生前贈与なども妻個人のものとみなされるため、分与の対象から外されます。
あと、タンス預金などのいわゆる「へそくり」が通帳などに入金記載されておらず、手元に保管してあるならばそれは持っていくことができるかもしれません。
でも、タンス預金で何百万も持っている人はあまりいないかもしれません。
ネット銀行
ネット銀行とかどうでしょう。
ネット銀行の口座はスマホから開設の申し込みができます。
キャッシュカードが一枚あるだけですから、それが見つからなければそこに入れてあるお金は手元に置いておくことができるかも。
もっとへそくっておくんだったと思いますが、いまさら言っても仕方ない。
これから得られる分とそれをどう運用していくかに考え方をシフトしていったほうがよさそうです。
いずれにしてもお金の問題は最もシビアなところであり、あとあとでしまったと思っても取り返しがつかないこともあります。
ここは慎重に行きたいところ。
離婚するときに夫から受け取れるお金まとめ
1.養育費
2.年金分割
3.財産分与
夫に渡す必要のないお金
親からの相続や贈与によって与えられたもの
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