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美容皮膚科で受けられる美肌治療について調べていると、IPLという言葉に出会うことがありませんか？
「IPLって、肌にどんな効果があるんだろう？」
「IPL治療とレーザートーニング、何が違うの？」
といった疑問を抱かれたことがあるかもしれません。
この記事では、レーザートレーニングとの違いについて、またIPL治療の効果や注意点について解説します。
IPL治療とは
IPL治療とは、IPL(Intense Pulse Light)という特殊な光エネルギーを肌に照射する美肌治療です。IPLは肌のメラニン色素とヘモグロビンにダメージを与える一方で、コラーゲンの生成を促進します。
そのため、シミ、ソバカス、赤ら顔、ニキビ跡、シワ、毛穴の開きなど幅広い悩みに改善が期待できます。肌のハリや弾力のアップも望めるのが魅力の美容術です。
よくIPL治療と混同されてしまう単語として、フォトフェイシャル®があります。顔全体に行うIPL治療をフォトフェイシャル®と呼ぶものだと認識している方が多いですが、実は違います。
フォトフェイシャル®はルミナス社製のIPL機器のことを指す言葉です。ルミナス社製ではないIPL機器や、その治療のことをフォトフェイシャル®と呼ぶのは適切ではありません。
IPL治療とレーザートーニングの違い
次に、IPL治療とレーザートーニングの違いを見ていきましょう。
IPL治療の比較対象としてよく名が挙がる美肌治療が、レーザートーニングです。
レーザートーニングは、シミ、くすみ、肝斑に効果がある施術として知られています。
IPL治療がIPLという光を用いた施術であるのに対し、レーザートーニングはその名の通りレーザーを用いた施術となっています。
IPLとレーザーの違いを踏まえた上で、IPL治療とレーザートーニングがそれぞれどのような人におすすめできるのか、見ていきましょう。
IPLとレーザーの違い
IPLとレーザーの違いは、波長(光の長さ)とパルス幅(照射時間)にあります。この波長とパルス幅が違うと、効果が及ぶ範囲も違ってくるのです。
波長が短いと肌の表面に影響を与え、波長が長いと肌の奥に影響を及ぼします。
パルス幅が長いと、照射時間が長くなるので、周囲に熱が伝わりやすくなります。そのため、広く浅い範囲に作用するのが特徴です。
逆にパルス幅が短ければ、深く狭い範囲に作用します。これがレーザーです。
レーザーには様々な種類がありますが、メラニン色素などの黒い色素に反応する波長と、毛細血管などの赤い色素に反応する波長の二つに分けることができます。
レーザーはパルス幅が短いため、局所的に深くアプローチすることができます。ただし、単一の光なので、目的に応じて使い分けなければなりません。
一方IPLは、複数の波長の光を持ち合わせています。そのため、幅広い肌の悩みに同時にアプローチすることが可能です。
また、パルス幅が広いため、広範囲にアプローチすることもできます。ただし、その効果はレーザーと比べるとマイルドなものになります。
IPL治療とレーザートーニングのどちらを選ぶか
ピンポイントで改善したい箇所があるならばレーザートーニング、広範囲で幅広い肌の悩みを解決したいならばIPL治療が適しているでしょう。
ただし、肝斑の治療をご希望の方は、必ずレーザートーニングを選んでください。
肝斑は刺激にとても敏感なため、IPLを照射するとメラノサイトが活性化し、メラニン色素が増えてしまう恐れがあるからです。
症状の悪化を招いてしまう可能性があるので、IPL治療は肝斑の治療には適しません。
レーザートーニングは、一般的なレーザー治療と比べて、低出力でレーザーを照射することが可能です。そのため、メラノサイトを刺激せずにメラニン色素を破壊できます。そのため、肝斑の治療に適しています。
IPL治療が肌にもたらす効果
IPL治療を受けることで、以下のような肌トラブルの改善が望めます。
- シミ、ソバカス、ニキビ痕の色素沈着
- 毛細血管拡張症(赤ら顔)、ニキビ痕の赤み
- ニキビ
- シワ、毛穴の開き
それでは、詳しく見ていきましょう。
シミ、ソバカス、ニキビ痕の色素沈着
IPLが肌に照射されると、光エネルギーが、シミ、ソバカス、色素沈着の原因となっているメラニン色素に吸収されます。その際に発生する熱の作用によって、メラニン色素が破壊されるのです。
破壊されたメラニン色素は、ターンオーバーによって数日かけて表皮に浮かび上がります。マイクロクラストと呼ばれるこの老廃物は、やがて剥がれ落ち、シミ、ソバカス、色素沈着等が改善された新しい肌が現れます。
毛細血管拡張症(赤ら顔)、ニキビ痕の赤み
赤ら顔とニキビ痕の赤みの原因は、拡張した毛細血管にあります。IPLが照射されると、光エネルギーが毛細血管中のヘモグロビンに吸収されます。
その際に発生する熱の作用によって毛細血管が破壊され、ヘモグロビンが消失します。これにより、赤ら顔やニキビ痕の赤みが消えていきます。
ニキビ
ニキビの原因であるアクネ菌は、ポルフィリンという代謝物を生成して炎症を繰り返します。このポルフィリンに対して有効な波長を持つIPLの光が、アクネ菌を殺菌・減少させる作用を持ちます。
シワ、毛穴の開き
IPLが肌の真皮層に届くと、線維芽細胞が活性化します。これによって、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の再生が促進されます。そのため、肌のハリとツヤが増し、シワや毛穴の開きの改善が期待できます。
IPL治療の注意点
次に、IPL治療における注意点を見ていきましょう。
IPL治療は、肌へのダメージが少ない美肌治療です。治療中の痛みは、輪ゴムで弾かれる程度の軽いものです。ダウンタイムもほぼなく、治療直後からメイクをすることも可能です。
こうした長所を持ち合わせているIPL治療ですが、治療を受けるにあたっては注意しなければならない点があります。
マイクロクラストを剥がさないこと
IPL治療から数日後、肌に細かいかさぶたのようなもの(マイクロクラスト)が現れます。このマイクロクラストが気になっても、1週間から2週間程度で自然と剥がれ落ちるまで待ちましょう。
くれぐれも無理に剥がさないようにしてください。
無理に剥がしてしまうと、皮膚が炎症を起こしたり、色素沈着を招く恐れがあります。
もし2週間を過ぎてもマイクロクラストが剥がれないようなら、医師に相談しましょう。
日焼けをしないように心がけること
IPL治療後は、紫外線の影響を受けやすくなっています。シミの再発を招かないためにも、日焼け止めをこまめに塗って、日焼け対策を徹底して行いましょう。
たとえ室内にいる時であっても、油断せずに日焼け止めを塗るようにしてください。
保湿をしっかりと行うこと
IPL治療を受けてから1週間程度は、肌が乾燥しやすい状態になっています。クリームや乳液などでしっかりと保湿するようにしましょう。
肌に刺激を与えないようにすること
ピーリング、スクラブ洗顔など、肌に刺激を与えるようなケアは、治療後しばらくは控えるようにしましょう。バリア機能が低下している状態で肌に刺激を与えてしまうと、炎症後色素沈着を引き起こす恐れがあります。
日常生活においても、摩擦などに気を付けて過ごすようにしてください。
IPL治療をおすすめできない方
IPL治療を控えたほうが良い方は、以下の通りです。
- 妊娠および授乳中の方(ただし、授乳中でも病院やIPL治療の種類によっては、受けられる場合もある)
- 光過敏症もしくは、光過敏性を高める薬剤をご使用中の方
- 治療を希望する部位が強く日焼けしている方
- てんかん発作の既往歴がある方
- ケロイド体質の方
- 血液凝固に異常のある方
- 前がん病変、皮膚がん、または皮膚がんの既往がある方
上記以外の方であっても、病院によっては治療をお断りしていることがあります。施術前のカウンセリング等で医師に確認するようにしましょう。
IPL治療の頻度や費用
最後に、IPL治療の頻度や費用について解説します。
IPL治療の頻度
IPL治療は1回だけでも効果が期待できる治療ですが、より変化を実感するには、何回か継続して治療を受ける必要があります。
多くの美容皮膚科では、3週間から4週間に1度の頻度で治療を受けることを勧めています。回数は、肌の状態や希望によって個人差がありますが、一般的には5回程度受けると十分な変化を実感できると言われています。
IPL治療は受ければ受けるほど良いというものではありません。過剰にIPL治療を繰り返すと、ビニール肌につながると言われています。
ビニール肌とは、角質層が薄くなり、キメが失われてバリア機能が低下している肌です。一見ツヤのある美しい肌に見えますが、乾燥していて刺激に敏感なため、肌トラブルを起こしやすいです。
IPL治療のやりすぎには注意しましょう。
IPL治療の費用
IPL治療の費用は、1回あたり10,000円から30,000円程度が相場となっています。
病院によっては、初回だけ安い金額で受けられたり、お得な回数券で受けられるところもあります。予算に合ったIPL治療を受けられる美容皮膚科を探してみましょう。
IPL治療で肌トラブルを解決するために
IPL治療は、IPLという特殊な光を照射する美肌治療です。メラニン色素とヘモグロビンを破壊し、コラーゲン等の生成を促進します。そのため、シミ、ソバカス、赤ら顔、ニキビ痕、シワ、毛穴の開きに効果があり、肌のハリや弾力を増してくれます。
レーザートーニングと比べて、幅広い肌悩みに同時に対応できる美肌治療と言えます。ただし、肝斑はIPL治療で悪化する恐れがあるので、レーザートーニングで改善を目指した方が良いでしょう。
IPL治療は肌に優しい美肌治療ですが、治療後の注意点や、治療を控えるべき場合も存在します。治療を受ける際は、医師の指示に従い、無理に治療を受けることがないようにしてください。
日々のスキンケアに励みつつ、IPL治療を受けて、更に美しい肌を目指しましょう。
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